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もじイメージGraphic展で感じた日本語の可能性と桑田佳祐

もじイメージGraphic展に行ってきました

本日、東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催されているもじイメージGraphic展に行ってまいりました。
今週末には終わってしまう企画展なので、是非行ってください!とはなかなか言い難いのですが、展示でハッと気づいたことがあったので、そのことをメインにお話します。

まずはもじイメージGraphic展の概要を紹介します。(この企画展の紹介文書を転載します)

本展では、コンピュータ上で出版物やグラフィック制作の多くの過程を行うことが一般化し、インターネット環境が社会のインフラとなっていった1990年代以降のグラフィックデザインを、日本語の文字とデザインの歴史を前提に紐解いていきます。
展示の中心となるのは国内外54組のグラフィックデザイナーやアーティストによるプロジェクトの数々。漢字や仮名の使い分けや、縦横自在の書字方法、ルビといった独特の表現方法をもち、文字とイメージの混ざり合いのなかで発展してきた日本のグラフィック文化が、グローバルなデジタル情報技術とどう向き合い、何を生み出してきたか、そして今どのような可能性をみせているかを「造形性」「身体性」「メディア」「マテリアル」のような13の現代的テーマに分けて紹介します。
(もじイメージGraphic展のサイトより引用)

つまるところ、文字がデザインの中でどのように使われ、そこに何が生まれたか、どんな効果があるのかが、作品とともに説明されている企画展です。

私が展示を見て気が付いたこと

展示の中で以下の言葉を読んだ時、日本語が秘めている表現の幅広さに気が付きました。

日本では中国から移入した表意、表語文字である本字からひらがなとカタカナという表音文字が生まれ、その使いかけか政治から歌の世界にいたるさまざまな表記のモードを生み出しました。また、漢字とかなという二重構造のうえに成立した「振り仮名(ルビ)」は、ひとつの言葉に多層的な意味を与えることを可能にしました。
(もじイメージGraphic展「Ⅰ. 日本語の文字とデザインを巡る断章」より抜粋)

<気付いたこと>

  1. 日本語にはルビがあるから、1つの熟語に複数の意味を持たせられる。
  2. 日本語には漢字、カタカナ、ひらがながあり、表意文字表音文字が混在している。
  3. 1. 2. を組み合わせれば、日本語の表現の可能性の幅はとても広い。

ということです。

桑田佳祐は日本語の表現の幅を拡げている

日本語にはルビがあるから、1つの言葉に複数の意味をもたせられる、と書いてある人を思い出しました。
サザンオールスターズ桑田佳祐さんです。

桑田さんの歌詞は漢字と違う読み方を当てることで、日本語の妙味を感じさせる歌詞が散りばめられています。
以下のページでそれが詳しく書いてあったのですが、例えば地球と書いて「ほし」と読む(曲名;奇跡の地球)、大義名分と書いて「かいしゃく」と読む(曲名;ピースとハイライト)、などがあります。

note.com

特に後者の大義名分の読み替えは面白いです。

読み替え部分の歌詞は、

都合の良い大義名分(かいしゃく)で
争いを仕掛けて
裸の王様が牛耳る世界は…狂気(Insane)
(ピースとハイライト 歌;サザンオールスターズ

となっているのですが、
争いをしないという大義名分を、自らに都合の良い解釈で受け止め、争いを仕掛ける。という、
まるで戦国大名たちが、「我々は室町幕府のために戦をしているんだ」大義名分を掲げて、実際は領土を奪い合う争いを繰り返していたことを指しているようで、
そんな、人間のホンネとタテマエの2面性を漢字の読み替えだけで表現してしまう、桑田佳祐さんの言葉選びは素晴らしいと思います。

まとめ

以上です!日本語の可能性から桑田佳祐さんの歌まで飛んで話をしましたが、いかがでしたでしょうか?
もじイメージGraphic展は後数日しか開催していないのですが、もしも本展に行こうかどうかを悩んでいる方がいらっしゃいましたら、是非見に行くことをお勧めします!

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